人生最初に飲んだ青汁

まだ子供だった頃、祖母がいつも飲んでいた青汁が
すごく美味しそうに思えて、ある日、祖母に
「ひとつ、飲んでもいい?」と聞いたら
「いいよ」と笑顔で、冷凍庫にあった青汁を一つ、私にくれた。
祖母が飲んでいた青汁は、液体のものがそのまま冷凍されているタイプの
商品だった。祖母はいつも、冷凍庫から出して、テーブルの上にしばらく置いておき
解凍されてから飲んでいたが
私は祖母からもらった凍った青汁が早く飲みたくて
たまらなかったので、台所でボウルに青汁の袋を入れて、そこへ水を張り
うきうきした気持ちで解凍を始めた。
そのまま置いて待っていればいいのに、ぜんぜん待てなくて
水の中で、袋をもんだりして、急いで解凍しようとした。
そのかいあって、5分とたたずに半解凍みたいになったので
急いで、袋をはさみで切って、中身をガラスコップへあけた。
透明感のない緑色の液体に、まだ凍った青汁がぷかぷかといくつか
浮かんでいて、子供心に私は「なんて、美味しそうなんだろう」と
期待で胸がいっぱいだった。しばらく、うきうきした気持ちで
コップの中身を覗いていたが、どきどきしながら、ひとくち口に含んだ。
その瞬間を私は、今でも忘れない。衝撃的だった。
「うっ!!」
もう、すごくまずかった。その時の私には青汁が
まるで田んぼの水を飲んだような味に感じたのだった。
それから、十数年経った。
ずっと青汁を飲んでいるせいか、祖母は今も元気だ。
大人になった私は今、子供の頃はまるで「田んぼの味」だと感じたその青汁を
気が向いたときに、祖母におねだりして
たまに飲んでいるが、今は飲んで「美味しい」って思っている。
味覚というのは変わるものですね。

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